幸せにしたいのは君だけ
「あの、私も遅ればせながらクリスマスプレゼントがあるの」
「え?」
バッグから包みを取り出す。
千埜に付き合ってもらって選んだ贈り物。
細長い箱を手渡すと、彼はいささか緊張した面持ちで包装紙を開ける。
「ネクタイか……!」
シックな光沢のある濃紺のグラデーションのネクタイ。
あれやこれやと色々なものを迷ったのだけど、圭太さんになにを贈ればいいかわからなかった。
圭太さんの持ち物すべてを知っているわけでもないし、好みを熟知しているわけでもない。
できるだけ使う頻度が高くて、それでいて幾つあってもあまり邪魔にならないもの。
そんな風に考えれば考えるほど、なかなか決断できなかった。
『この際、会社員の必須アイテムともいえるネクタイにすれば?』
迷い続ける私に痺れをきらした千埜のひと言で、そう決めたのだ。
「あの……使ってくれる?」
「もちろん! ありがとう。俺好みのデザインと色合いだ」
白い歯を見せる圭太さんの様子にホッとする。
「こんな高価な贈り物を私はもらったのに、申し訳ないのだけど……」
「そんなの関係ないだろ。大事なのは佳奈が俺を想って選んでくれた気持ちだ」
当たり前のように口にする彼に、胸の奥がきゅうっとなる。
どうしてこれほど簡単に、私が欲しい言葉をくれるのだろう。
この人とずっと一緒にいたい。
心からそう願った。
「え?」
バッグから包みを取り出す。
千埜に付き合ってもらって選んだ贈り物。
細長い箱を手渡すと、彼はいささか緊張した面持ちで包装紙を開ける。
「ネクタイか……!」
シックな光沢のある濃紺のグラデーションのネクタイ。
あれやこれやと色々なものを迷ったのだけど、圭太さんになにを贈ればいいかわからなかった。
圭太さんの持ち物すべてを知っているわけでもないし、好みを熟知しているわけでもない。
できるだけ使う頻度が高くて、それでいて幾つあってもあまり邪魔にならないもの。
そんな風に考えれば考えるほど、なかなか決断できなかった。
『この際、会社員の必須アイテムともいえるネクタイにすれば?』
迷い続ける私に痺れをきらした千埜のひと言で、そう決めたのだ。
「あの……使ってくれる?」
「もちろん! ありがとう。俺好みのデザインと色合いだ」
白い歯を見せる圭太さんの様子にホッとする。
「こんな高価な贈り物を私はもらったのに、申し訳ないのだけど……」
「そんなの関係ないだろ。大事なのは佳奈が俺を想って選んでくれた気持ちだ」
当たり前のように口にする彼に、胸の奥がきゅうっとなる。
どうしてこれほど簡単に、私が欲しい言葉をくれるのだろう。
この人とずっと一緒にいたい。
心からそう願った。