幸せにしたいのは君だけ
「こんなに近くにいたのに、なんでもっと早く気づかなかったんだろうって焦って、自分のものにしたくて必死だった。佳奈が誰かに奪われたらと思うと、不安でたまらなかった。みっともないってわかっていても、どうしても佳奈を離したくなかった」
「本当に……?」
「あの焼き鳥屋で俺は、生まれて初めて本当の恋をしたんだ」
幸せすぎる告白に心が揺さぶられる。
止まったはずの涙がどんどんあふれだす。
「……泣き虫」
「圭太さんのせい」
「うん」
骨ばった指で涙を拭いながら、私の髪に優しくキスを落とす。
その仕草に心がキュッと締めつけられる。
「すぐに澪と先輩に相談して……協力を頼んだんだ。特に澪は佳奈を大事に思っているから、散々本気なのか、泣かせたら許さないと迫られた」
大好きな先輩の心遣いに胸が熱くなった。
「じゃあ、クリスマスは……?」
「あれは、副社長に突然任された仕事のせいだったんだ」
「年末前なのに?」
「佳奈、遠距離恋愛無理だって言ってただろ」
そう言ってフイと視線を逸らす。
心なしか耳が赤い。
「……国内勤務への異動願を出してたんだ。ただ進行中のプロジェクトがあって、落ち着くまで帰国は難しいって言われてたんだ。それなのに仕事が増えて、調整の必要が出てきて、急遽帰国したんだ」
私の、ため?
私が遠距離恋愛を無理だって言ったから?
あんな些細なひと言を覚えていてくれたの?
「本当に……?」
「あの焼き鳥屋で俺は、生まれて初めて本当の恋をしたんだ」
幸せすぎる告白に心が揺さぶられる。
止まったはずの涙がどんどんあふれだす。
「……泣き虫」
「圭太さんのせい」
「うん」
骨ばった指で涙を拭いながら、私の髪に優しくキスを落とす。
その仕草に心がキュッと締めつけられる。
「すぐに澪と先輩に相談して……協力を頼んだんだ。特に澪は佳奈を大事に思っているから、散々本気なのか、泣かせたら許さないと迫られた」
大好きな先輩の心遣いに胸が熱くなった。
「じゃあ、クリスマスは……?」
「あれは、副社長に突然任された仕事のせいだったんだ」
「年末前なのに?」
「佳奈、遠距離恋愛無理だって言ってただろ」
そう言ってフイと視線を逸らす。
心なしか耳が赤い。
「……国内勤務への異動願を出してたんだ。ただ進行中のプロジェクトがあって、落ち着くまで帰国は難しいって言われてたんだ。それなのに仕事が増えて、調整の必要が出てきて、急遽帰国したんだ」
私の、ため?
私が遠距離恋愛を無理だって言ったから?
あんな些細なひと言を覚えていてくれたの?