幸せにしたいのは君だけ
――間違いない。

佳奈は俺がずっと探し求めていた唯一で、運命の人だ。


佳奈の代わりなんて、佳奈以上に愛せる人になんて一生出会えない。

佳奈だけが俺を心から幸せにしてくれる。

満たしてくれる。


本当は、たったひとりの最愛の人を見つけた幼馴染みが羨ましかった。

幸せになってほしいと願って、副社長にバトンを渡せてホッとしたはずなのに。

見守るという責任から卒業した充実感もあったのは事実だったのに。

それでも俺だけがどこか取り残されたような寂しさや孤独、焦りを感じていた。


――そんな中で、佳奈を見つけた。


この世界でたったひとり、俺が誰より愛してやまない最愛の人。

俺の全身全霊で守って慈しんで、甘やかして、大切にしたい女性。


どんなに無様でカッコ悪くても、佳奈の前なら、佳奈のためなら構わない。

彼女が笑ってそばにいてくれるだけで、きっと俺はどんな困難も乗り越えていけるから。


――彼女の目が覚めたら、もう一度きちんと伝えたい。

俺の心からの愛を。


なによりも幸せにしたい人、それは君しかいないのだと。

誰よりもなによりも、君だけを愛していると。


だから。

一生俺のそばにいてほしいと。
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