幸せにしたいのは君だけ
過去に出会ってきた、付き合ってきた男性は皆一様に“可愛い”女性を好んでいた。


男性に強く言い返したり、あからさまに自分の意見を主張しない女の子。

思わず手を差し伸べて、守ってあげたくなるような女の子。


学生の頃は、その考えがどこか馬鹿馬鹿しいと思っていた。

私は私だ。


勝気でなんでもズケズケ口にしてしまう。

ウソがつけないといえば聞こえがいいけれど、可愛げがないと言われてしまえばそれまでだ。


社会人になって学んだ処世術。

私の性格は、世の男性からはモテない。

少なくとも、私が出会ってきた男性たちからは敬遠されていた。

合コンに何回も参加してみれば否応なしにわかる。


自分を偽るわけではないけれど、無駄に波風を立てる必要もない。

そう思って、相手に合わせる術を学んだ。


でも、そんな異性ともお互いの距離が近づいて、段々と素の自分を見せるようになると、上手くいかなくなるケースがほとんどだった。


『思っていたイメージと違う』


そんなセリフを、何度言われただろう。

勝手な幻想を抱いているのはそっちでしょ、と言い返したこともあった。

けれど、そんな風に見せていたのは自分自身だと最近では思うようになった。
 
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