幸せにしたいのは君だけ
「なんで?」

「副社長と澪さんの姿を見てたら、なんか違うんじゃないかって思って。合コンじゃそういう相手には出会えない気がするから、最近は少し苦手なの」

「へえ、珍しい、あんなに一時期、合コンに参加してたくせに?」

「そうだけど、参加してたからこそわかったっていうか……一時の刹那的な関係とか取り繕ったものじゃなくて、お互いを想いあう真剣な恋がしたいなあって、漠然と感じたの」


合コンでの出会いを否定するわけではない。

そこで素敵なパートナーに出会う人だって大勢いる。

ただ私には縁がなかった。


あの日、結婚式で見つめあうふたりは、本当に幸せそうだった。

お互いを唯一の相手と想う温かな気持ちが伝わってきて、見ている私まで幸せな気持ちになった。

言葉にしなくてもわかる、パートナーへの気持ち。

それはきっと、深い信頼関係と大きな愛情のうえに成り立っている。


ふたりの姿に、私の浅はかな婚活もどきが恥ずかしく思えてしまったのだ。
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