幸せにしたいのは君だけ
「佳奈」
私に気づいた圭太さんが、眦を下げる。
その瞬間、私の心臓はトクンと大きな音をたてた。
久しぶりに会う彼は、少し疲れているように見えた。
気になって尋ねると、多忙な毎日だったらしく、ほとんど身体を休めていないらしい。
「あけましておめでとう、佳奈」
もうずいぶん時間が経っているけど、と付け加えられた。
「……おめでとうございます……そんなに大変だったなら、別の日にしてくださってよかったのに……」
コートを脱いで、彼の向かい側に腰をおろす。
よく見ると顔色も悪い気がする。
無理もない。
長距離移動はそれだけで身体に負担がかかる。
「あの、今日はもういいので家に戻って休んでください」
「それだけは断る。俺がどれだけ佳奈に会いたかったと思う?」
「……私も会いたかったですよ。でも体調の悪い圭太さんを見るのはつらいです」
今日はできるだけ素直になろうと決めていた。
私の返答に彼が驚いたように見つめてくる。
「佳奈?」
「私のために、無理をしてくださるのは嬉しくないです」
「……ごめん。じゃあ今日はゆっくり俺と過ごしてくれないか? 身体がつらくなったら帰らせてもらうから」
眉尻を下げて申し訳なさそうに言う圭太さんに、大きく頷く。
「ありがとう、佳奈。それとその服、やっぱりよく似合ってる。着て来てくれてありがとう」
本当に嬉しそうな声で言われて、胸が弾んだ。
さり気ないひと言。
だけどそれがこんなにも私の気持ちを高揚させると、この人は知っているだろうか。
私に気づいた圭太さんが、眦を下げる。
その瞬間、私の心臓はトクンと大きな音をたてた。
久しぶりに会う彼は、少し疲れているように見えた。
気になって尋ねると、多忙な毎日だったらしく、ほとんど身体を休めていないらしい。
「あけましておめでとう、佳奈」
もうずいぶん時間が経っているけど、と付け加えられた。
「……おめでとうございます……そんなに大変だったなら、別の日にしてくださってよかったのに……」
コートを脱いで、彼の向かい側に腰をおろす。
よく見ると顔色も悪い気がする。
無理もない。
長距離移動はそれだけで身体に負担がかかる。
「あの、今日はもういいので家に戻って休んでください」
「それだけは断る。俺がどれだけ佳奈に会いたかったと思う?」
「……私も会いたかったですよ。でも体調の悪い圭太さんを見るのはつらいです」
今日はできるだけ素直になろうと決めていた。
私の返答に彼が驚いたように見つめてくる。
「佳奈?」
「私のために、無理をしてくださるのは嬉しくないです」
「……ごめん。じゃあ今日はゆっくり俺と過ごしてくれないか? 身体がつらくなったら帰らせてもらうから」
眉尻を下げて申し訳なさそうに言う圭太さんに、大きく頷く。
「ありがとう、佳奈。それとその服、やっぱりよく似合ってる。着て来てくれてありがとう」
本当に嬉しそうな声で言われて、胸が弾んだ。
さり気ないひと言。
だけどそれがこんなにも私の気持ちを高揚させると、この人は知っているだろうか。