紡ぐべき糸
啓子に与えられた仕事は 簡単な伝票入力や 書類のチェックだった。
仕事をしたことがない啓子は 緊張して メモをとりながら 仕事を覚える。
親切な田村さんは そんな啓子を
「林さん 仕事が 丁寧だから助かるわ。」
と褒めてくれた。
「そんな事ないです。私 要領が悪くて。」
啓子は控えめに言う。
「大丈夫よ。ゆっくりでも 確実にやってくれる方が 助かるの。」
と田村さんは言う。
啓子は 少しずつ 仕事に自信をつけていった。