紡ぐべき糸

啓子達が 卒業した女子高は 県立高校の中では 下の方のランクだった。


勉強が 得意ではない啓子が 頑張らなくても 合格できた高校。


啓子は 高校時代 いつも 上位の成績だった。
 


地味で控えめな 啓子の両親は 啓子に対して 無理な要求をしない。
 

「女の子なんだから。そんなに勉強ができても 仕方ないよ。」

父はいつも 啓子に そう言っていた。
 

「そうよ 啓ちゃん。女の子が 勉強できすぎると 生意気になって 良くないわ。」

と母も 父に同意する。


啓子の両親は 成績が良くない啓子を 慰めていると思っていた。

でも それが 両親の本音だったと 啓子は 後になって知る。
 


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