紡ぐべき糸

「私 もっと ちゃんと勉強しておけば良かったって 最近思うの。」

美穂は 啓子に言う。
 

「急にどうしたの。」

啓子が聞き返すと、
 

「仕事が テキパキできる人って みんな 良い大学卒業を しているの。学歴って 実力だよね。」

ため息をつきながら 言う美穂。


「そう言えば 同期の男子で すごく仕事ができる人 国大卒だ。」

啓子は 聡のことを 思いながら 美穂に言う。
 


「啓ちゃん その人のこと 好きでしょう。」

美穂は 思わせぶりな笑顔で 啓子に言う。
 

「やだ、どうして。」

啓子は狼狽えて言う。
 

「だって 啓ちゃん 顔が紅いよ。」

美穂に指摘されて 啓子は 頬を触る。


聡のことを考えると 上気してしまう啓子。
 


「やだ、恥ずかしい。」

慌てて 言い返す啓子。
 

「いいじゃない。」

美穂は 優しく啓子を見る。



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