紡ぐべき糸

それは 短大に進学しても 同じだった。


啓子と美穂は 同じ短大に 推薦で入学をした。


二人とも 高校の成績が良かったから。

担任の先生から 推薦の話しを聞いて すぐに 進路を決めてしまった。


自宅から 通える女子短大。


学生の数が 少なくて 高校の延長のような二年間。



啓子も美穂も 地味なまま。


制服が 私服になって 自転車通学が 電車通学になっただけ。



新しい友達が 何人か できたけれど。



みんな 啓子達のように 大人しい子ばかり。
 



短大生になったのに 恋をすることもないまま 啓子の時間は過ぎた。



新しい経験をしないから 成長もない。



いつまでも 人見知りのまま。




そんな自分が 嫌になっても 啓子は 自分を変える方法さえ 知らなかった。
 
 


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