紡ぐべき糸
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不器用な啓子は 少しずつ 職場に慣れ 少しずつ 仕事を覚えていく。
安心して 職場に通い 落ち着いて 仕事ができるようになったのは 入社して 二年が過ぎた頃だった。
ずっと 見つめ続けてきた聡は 相変らず 生き生きと 仕事をしている。
徐々に 上司にも 認められ 期待されていく聡。
啓子は 何も変わらないまま ひっそりと 聡を 見つめ続けていた。
変わりたいと 思いながら どうすれば良いのか わからないまま 啓子の毎日は 過ぎて行く。
いつまで 自分は このままなのだろう。
いつも逃げ腰で。
傷つくことが 怖くて 最初の一歩が 踏み出せない。