紡ぐべき糸

9


啓子が コンビニに着いて いくらも待たずに 聡の車が 入って来る。


啓子が 店を出ると 聡は すぐに気付いて 助手席を手で指す。
 

「失礼します。」

と言って 車に乗った啓子を 聡は笑って
 

「普通にしてよ。俺 上司じゃないんだから。」

と言った。

聡の車に乗ることも 聡と食事をすることも 啓子は 予想していなかったから。
 

「はい。すみません。」

啓子が言うと、
 

「ほら、また。」


と聡は笑う。



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