紡ぐべき糸
暫く、東京のことを 聞いているうちに 車は 海岸線の道路に出る。
「海、真っ暗だね。」
と美咲が 笑うから 聡も つられて笑ってしまう。
「本城 東京に 彼氏いるの?」
海岸線の 国道を 走りながら 聡は聞く。
「どうかな。」
美咲は 首を傾げて 聡を見る。
「別に いてもいいけど。やっぱり 一流大学の奴?」
聡が もう一度聞くと
「秘密よ。」
と美咲は はぐらかした。
海沿いの 避難地帯に 車を停めて 聡は 美咲の方を向く。