紡ぐべき糸
クリスマスは おしゃれをして 豪華なレストランで 食事をする。
「お正月休みは 温泉でも行こうか。泊まりで 出かけられる?」
聡に聞かれて 啓子は 頬を染めて頷く。
「美穂ちゃん達と 旅行するって言う。」
と啓子が言うと、
「ケイのご両親にも 挨拶しないとね。」
聡は 少し照れた顔で 啓子を見る。
「何て言うの?」
啓子は驚いて聞く。
「お嬢さんを下さい、でしょう。」
聡は少し笑って答える。
啓子は 胸が熱くなって 俯いてしまう。
「ケイにも 後で ちゃんと 言うからね。」
と聡に 甘く言われて 啓子は 黙って頷く。
「ありがとう。」
と小さく言うだけで 胸がいっぱいだった。