紡ぐべき糸

まだ キスしかしていない二人。

啓子は 結ばれることが 怖かった。


初めてだから。


聡は 幻滅するかもしれない。

聡に 抱きしめられることは 幸せで。

ずっと 触れ合っていたいと 思うけれど。
 


聡は そんな 啓子の不安を 知っていた。
 

「俺と 一晩中一緒にいたら ケイは 俺に メロメロになるよ。」

悪戯っぽく言う聡。
 
「どういう意味?」

啓子が聞くと、
 
「俺 すごい テクニシャンだから。ケイ 心配しなくて大丈夫。」

と言って笑う。
 
「やだ。聡。変態。」

驚いた啓子は 頬を染めて 言い返す。
 

「ハハハ。ケイも もうすぐ 変態になるからね。」

と聡は 声を上げて笑う。
 

啓子の不安を 一生懸命 取り除こうとしてくれる聡。


啓子は すべてを任せる 覚悟ができていた


きっと大丈夫。


聡を信じて 付いて行けば。


すべて上手くいく。




こんなに聡を 好きだから。



啓子も笑顔で 聡を見つめて頷いた。
 
 


< 182 / 227 >

この作品をシェア

pagetop