紡ぐべき糸

「怖いの?」

聡に聞かれて、
 
「だって。」

と言って 啓子は 口ごもる。

「案外 すぐに 子供できるよ。ケイは 俺に夢中になるから。」

と聡は 楽しそうに笑う。


啓子の不安を 取り除くように。
 

「それは 聡 次第だね。」


啓子も 聡に合せて 明るく笑う。
 


車の中 楽しく話しながら あっと言う間に 温泉地に入る。


昼食を食べて 近くの神社で 初詣をして。


少し 温泉街を散歩して。



道には 心配したほど 雪もなく。


啓子は 夜の心配を止めて 聡との時間を楽しむ。
 


< 185 / 227 >

この作品をシェア

pagetop