紡ぐべき糸
「怖いの?」
聡に聞かれて、
「だって。」
と言って 啓子は 口ごもる。
「案外 すぐに 子供できるよ。ケイは 俺に夢中になるから。」
と聡は 楽しそうに笑う。
啓子の不安を 取り除くように。
「それは 聡 次第だね。」
啓子も 聡に合せて 明るく笑う。
車の中 楽しく話しながら あっと言う間に 温泉地に入る。
昼食を食べて 近くの神社で 初詣をして。
少し 温泉街を散歩して。
道には 心配したほど 雪もなく。
啓子は 夜の心配を止めて 聡との時間を楽しむ。