紡ぐべき糸
「ケイ。俺 男の子がいい。一緒に サッカーとか バスケするんだ。」
啓子の 髪を撫でながら言う聡。
「駄目。女の子。可愛い洋服 たくさん着せるの。」
泣きながら 啓子は 鼻声で言う。
「女の子はヤダ。いつか 彼氏に捕られるから。」
聡は 真剣に言う。
「聡みたいに。」
啓子が言うと、
「俺 ケイのお父さんに 泣かれるね。」
少し しんみりと 聡は言う。
「私、幸せだから。大丈夫。」
少し しゃくり上げながら 啓子は答える。
「お父さんに 会う前に 少しだけ お父さんの気持ちが解って 良かった。」
と聡は言う。