紡ぐべき糸

18


美咲との 変わらない関係に 満足してく聡は 自分の身勝手さに 気付いていた。


八年振りに 美咲に会い 溢れる思いに 動かされ 美咲に 結婚を申し込んだ聡。

その気持ちに 嘘はないけれど。

いつも 美咲の側に 居たいと思うけれど。
 

でも聡は 自分から 美咲の傍に 行こうとはしない。

本当に 美咲を 求めているのなら 聡が 東京へ行けば いいことだった。


今の生活を捨てて 東京で 新しい生活を 始めればいい。
 


聡は 最初から 美咲を 呼び戻すことしか 考えていなかった。

そして結婚を 美咲を 呼び戻す口実にした。


聡にとって 東京は あまりにも アウェイだから。
 


中学生の頃と 同じように 狭い世界で いい気になっている自分に 聡は がっかりしていく。

『結局 俺は、井の中の蛙だ』

そう気付いたとき 聡は 美咲との結婚を諦めた。
 


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