紡ぐべき糸
時々 美咲を訪ね 甘い時間を過ごす聡。
そんな関係が まもなく 一年になろうとしていた。
美咲の誕生日が 過ぎた週末、聡は 上京の予定を立てた。
『せっかくだからさ、豪華な食事、しようよ。』
美咲に 予定を伝えながら 聡は言う。
『本当?嬉しい。』
美咲の声は 甘く耳をくすぐる。
『ネット見て、予約しておくね。』
東京を知らない聡は いつも 美咲に任せていた。
美咲は
『えっ。』
と驚きの声を 出した後で、
『うん。ありがとう。』
と優しく囁いた。