紡ぐべき糸
何も言わないまま 会っていればいいのに。
聡は もう 美咲との結婚は 諦めているのだから。
「ありがとう。でも 横山君に好きな人ができたら 私に 遠慮しないで 結婚していいからね。」
美咲は 言葉に反して 聡の胸に 身を寄せてきた。
美咲も 今の関係に 満足している。
そう思うことは 聡の心を熱くした。
「バカ。俺のセリフだろう。」
聡が 美咲の頭を 抱き寄せると
「私 横山君と こうしているの すごく好きだから。でも 私が中途半端で 横山君を縛っていたら 申し訳ないでしょう。」
聡の胸で 美咲が言う。
優しさと愛しさに包まれて 聡は 美咲の唇を塞ぐ。
「何も言わないで。俺が 美咲に会いたいんだから。だからいいの。これからも来るよ。」
聡はそう言って もう一度 熱くキスをした。
美咲の体は 甘く揺れて 力が抜けていく。
そのまま せっかちに 美咲を求めた聡。
いつも以上に 熱く応える美咲の体に 聡は すべてを解き放した。