紡ぐべき糸
「林さん 驚いたでしょう。」
岡部さんは 啓子を見て クスッと笑う。
「林さんは まだ若いから。でも 二十才過ぎると あっと言う間だよ。林さんも わかるっって。」
吉野さんは啓子に言う。
活発で 積極的な二人。
たった二才しか 違わないのに 二人は 啓子よりも ずっと大人だった。
「林さんって 大人しいね。彼氏いるの?」
岡部さんに 聞かれて 啓子は 首を振る。
「大丈夫。これからだよ。でも 悪い男に 引っかかっちゃ駄目だよ。」
優しい目で 吉野さんに言われて 啓子は 素直に頷く。
大人しい啓子は 新しく 友達を作ることが 苦手だった。
吉野さんや岡部さんのように 積極的な人が 羨ましい反面 少し苦手でもあった。