タイムスリップなんて聞いてない
というわけで翌日…。


はぁい鬼畜やなぁ〜


ただ今道場に来ております。


もう見ただけで死ぬよねコレ。


つかさ、俺女なんだけど?


やりきれる自信皆無なんだけど?


とりま死んでいい?


いやマジでもう無理じゃん。


逃げていい?


それにね、私人一倍体力ないのよ。


すぐに過呼吸起こすんですよ。


まぁ、何もしてなくても起こるんですけどね。



「あ、おはよう岐山」



見つかったぁぁぁぁぁ!!


その笑顔が逆に怖い。



「おはようございます…。
 えっと沖田…さん?隊長?」



「どっちでもいいよ。」



「じゃあ沖田隊長で」



「じゃあ早速稽古しようか?」



そういう沖田隊長の顔は笑顔だった。


逃げたい。今すぐ逃げたい。


もうちょい優しくしません?


怖いわ笑顔が。


いやはたから見たら爽やかな笑顔なんですけどね


怖いもんは怖い。


ん?どんな稽古か?


キカナイホウガイイヨ。


ホントにうんマジで。






























「はい、お疲れ様、岐山」


沖田さん…じゃない沖田隊長は私に
冷たいお茶を持ってきてくれた。


ありがてぇ



「ありがとうございます」



受け取り、一気に飲み干す。


ん、うめぇ。


自然と笑顔になる。


疲れたからかな。


すごく美味しく感じる。



「ねぇ岐山」


「なんでしょう」


「後で一緒に買い出し付き合ってよ」


「え、構いませんけど…何でですか?」


「ほら、着物全然持ってないでしょ?」


「あ、そういえば」


「今きてるの平助のだし」


「そうでしたね」


「じゃあ今すぐ行こっか」


「後でって言いませんでした?」


「何のことかな?」


「…わかりました、行きましょう」



笑顔がマジでこえぇんだよ。


秒で準備して屯所の門をくぐる。


都ってこんな感じなのか。


あ、ちなみに昨日のうちに新撰組全員に
挨拶して自己紹介しましたよ。


クッソ唐突ですんません。



「あ、沖田さぁぁぁぁぁん!!」



ドスっと誰かが沖田隊長に激突。


この世界にもヤベェやついんのか。


どうやら少女のようだ。


かなり可愛らしい。


俺もそのくらいの顔面偏差値で生まれたかった。


まぁ別に男装できるからいいんだけどね。



「恋(レン)か。いつも突進して飽きない?」


「飽きません!!」



恋と呼ばれた少女は真顔で答える。


ヤベェやつだ。


ふと、恋さん?は俺の方を見る。


今気づいたようだ。



「沖田さん、その子は?」


「新入りだよ。今日はこの子と一緒に買い出し」


「へぇ!!私は恋と申します!!」



元気のいい子だ。


そう思いながら俺も自己紹介する。



「初めまして恋さん。俺は美吉野岐山。」



「よろしくお願いしますね美吉野さん!!」



「はい、よろしくお願いします」



ふわっと微笑んでみる。


まぁそこまで綺麗ではないがな。


にしても本当にこの人は可愛らしいな。



「あ、あの美吉野さん…」



彼女は顔を赤らめる。


俺なんか言ったっけ?



「岐山、声に出てたよ」



「わぁ、御免なさいつい」



てか、本当にそれだけかこの子。


ん?待って。


この子幾つ?


俺この子って言ってるけどもしかしたら
俺より年上じゃね?



「あの、美吉野さんはお幾つですか?」


「あ、そういえば聞いてなかったね」


「そういえばそうでしたね。俺十三歳ですよ。」



「「え」」



そんなに驚くか?



「わ、私より年下なんですか!?」


「逆に俺の方が年下なんですね」



なんか冷静すぎん?俺。


つか幾つなんだこの人。



「私、十七です」


「ワォ俺より四つ年上でしたか」



反応薄いけど結構びっくりしてるからね一応。


まぁ、十代だろうなとは思ってた。


てかもう身長的に恋さんの方が
大きいからなんとなくそうかなぁ
みたいな感じだったけど。


それはどうでもいい。


てか恋さんと沖田隊長って
どーゆー経緯で繋がってるんだろう?



「この子は甘味処の娘さんなんだ」


「沖田隊長俺の心読みました?」


「たまたまじゃない?」


「そうですよね」



甘味処かぁ…。



「沖田隊長甘味処寄るつもりだったんですか?」


「あ、バレた?」


「いやバレるでしょうね」


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