嘘つきは恋人のはじまり。
予定通り準備を終えタクシーを拾うと九条さん家から一番近いコンビニで降ろしてもらった。スポーツドリンクやゼリーなどの補充と自分の食事を買う。明日の朝ごはんになりそうなヨーグルトやサンドイッチ、おにぎりなども少し多めに籠に入れた。この時間だし目ぼしいものはあまりなかったけど、カップ麺は沢山ならんでおり、それをいくつか籠に入れて九条さん家に戻った。
「……」
なるべく静かに、九条さんを起こさないようにリビングに戻れば出て行った時と変わらない状態だったことに安堵した。寝室を覗けば、九条さんは扉を背にしている。
わたしはお湯をもらい、カップ麺を準備しながら、スポーツドリンクのストックをキッチンの邪魔にならないところに置いて、冷蔵庫にゼリーやらなんやらを入れた。
「はぁ、いい匂い」
麺は少し硬めが好きだ。3分より2分半ぐらいがちょうどいい。
ーーーズズズズ、ズズズズ……
どうしてこんな時間に食べるカップラーメンって美味しのだろう、と思いつつ、チンした冷凍の餃子を頬張りチャンネルに手を伸ばしてテレビをつけた。
音は最小限にして深夜番組を見つつ、ラーメンをズルズル啜り餃子を食べる。
他に面白い番組ないかな、なんて思っていると寝室の扉が空き、九条さんが起きて来た。