嘘つきは恋人のはじまり。


 「よし、できた!完成っ」


九条さん家から自宅に戻る途中、スーパーで食材を買い足した。それらをキッチンのスペースに置き、九条さん家に持っていく昼食を作った。


昼食といっても消化の良いものをメインにしたものだ。たまごとネギのシンプルなお粥は保温の効くタッパーに入れた。これでは物足りない、と言いそうなので、おにぎりを数個準備。


他に、以前九条さんに作ったつくね団子のスープ、玉子焼やウインナーの入ったお弁当のおかずもどきも準備した。揚げ物や油を使うものはなるべく避けたけど、きっと物足りなさはある。現に昨日、餃子食べてたし。


まあ、食欲があるならあるにこしたことはないんだけど。


あとは、りんごやキウイ、いちごなどのフルーツも切ってタッパーに入れた。九条さん、果物食べるのかな、と思いながら食べないならわたしが食べればいい、という、むしろわたしが食べたいものだ。


「わ。そろそろ戻らないと……!」



なんだかんだで気づけばもうお昼。驚いて携帯を確認したけど九条さんから連絡はない。だけど、急ぐにこしたことはない。わたしは慌てて準備すると、再び九条さん家に舞い戻ったのだった。



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