嘘つきは恋人のはじまり。
ロバートもどちらかというと淡白な方だ。外国人ってもっと情熱的なものかと思って構えていたところがあったけど、ロバートはそうでもないらしい。以前気になって訊いたら困ったように笑われてしまった。
『レイには言いたくないけど昔は盛んだったさ。だけど今は落ち着いてる。気持ちの問題じゃないか』
そう言われて、「あぁ、大人なんだ」って感動した。大人の男性が良いって女性は言うけどこういうところも含まれているのだと理解した。
そう毎日求められるものでもないし、付き合いが長ければ長くなるほど身体の結びつきより心の結びつきが重要に思えたこともあって自分から解決しようとは思わなかった。
「身体にも相性がある。それはわかるだろう?」
よく聞く話だ。『理解はできる』けど、『知らない』がわたしの答えである。
恥ずかしながらそれほど経験は多くない。恋人だってロバートで2人目だ。つまり、相性と言われても2人しか知らない。もうひとりは学生の時の恋人で、相性とか覚えてもない。