嘘つきは恋人のはじまり。
彼氏と仮氏1
彼氏
「わぉ!!すごく高いね!」
待ちに待ったG.W初日。
ロバートは早朝に関空に到着した。ゲートで待つわたしを見つけるなり目を細めて笑う彼。
久しぶりのせいか、少し緊張して待っていたけど、パース空港で見送ってくれた時と変わらない。ううん。むしろ少しふっくらしたのは気のせいだろうか。
そんな彼とリムジンバスで京都を目指し、着くなり早々観光地へ。京都観光といえば世界遺産である神社やお寺めぐりはもちろん、食いしん坊の彼はスィーツ巡りも旅の予定だ。
今は清水の舞台を眺めていて、彼はしげしげと手すりから身を乗り出して下を眺めている。
「落ちたら死ぬかな?」
「やめてよ」
「でも意外と木があるし」
まるで小学生みたいなことを言っている彼に呆れて言葉が出ない。何馬鹿なことを、と言いたいけど目がキラキラしているからわたしは何も言えないのだ。
楽しんでくれていることが嬉しい。
彼とこうしてゆっくり観光できるならそれでよかった。
「スミマセン、カメラOK?」
所々で片言の日本語が出るところが可愛い。今日のためにわたしに隠れてこっそり練習していたんだそう。