嘘つきは恋人のはじまり。
二回戦を終えたあと、ひとりベッドで寝転んでいるとシャワーを浴び終わった彼はコンビニ買ってきたお酒とデザートを持って寝室にやってきた。
嬉しそうにニコニコしながら。
まだお腹の中に違和感のあるまま、わたしはその嬉しそうな顔を眺めようと身体を横向けにする。ロバートはわたしの隣に座るとうっとりとしながら、袋からデザートを取り出した。
「どうして日本のデザートはこんなにも美味しいものがたくさんあるのだろう」
疑問を口にしながらも、買ってきたもの全てをサイドテーブルに並べるとどれから食べようかと悩んでいる。
「このデザートを少しでも再現できたらもっと店は流行るかな」
「再現できそう?」
「そんなに簡単にさせてくれないだろうな」
ショートケーキ、ティラミス、シュークリーム、エクレア、と結構しっかりとしているデザートたち。パッケージを見ているだけでもお腹いっぱいになってくる。
「レイも食べる?」
じっと見つめていると、勘違いさせてしまったのか、ロバートが訊ねてきた。わたしはゆっくり首を横に振る。
それよりも喉が渇いたかな。
わたしは怠い身体をゆっくりと起こしてお水を飲むと、味わいながら美味しそうに食べている彼を見つめて、それだけで幸せで。胸がいっぱいになり、ただ黙って彼の食べる姿を見つめていた。