恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「大体、ここの病院のナースをその、片っ端から手を出しているっていうのは本当なの?」
「…は?」

母親の突飛な質問に呆れて肩をすくめた。
どこから仕入れた噂話かは知らないが、尾ひれに羽ひれだ。

俺は自分から手を出しに行ってる訳じゃない。ただ誘われたら拒まずに据え膳を食っているだけだ。

ただそんな事を両親の前で馬鹿正直に白状する筈も無く、そんな訳ないだろと吐き捨てる。

特定の女を作るのはとうの昔に懲りていた。
縛られるのは好きじゃないし、恋愛も結婚もきっと俺には向かない。だからこれからも身を固めるつもりは無い。

「大体何で急に見合い話なんか持ってきた?別に俺がどんな女と付き合おうが口は出さないって前に言ってただろ」
「あぁ、別に相手の家柄や職業にもの申すつもりは無いっていう意味だ。まあ今回の見合いの相手は母さんの友達の娘さんらしくてな、秋人、ここは母さんの顔を立てて見合いを受けなさい」
「……。」
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