恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

(母さんの顔を立てて見合いを受けるって…)

父さんの言う事に呆れて言葉を無くす俺の横で、友人だという見合い相手の母親との関係について母さんはベラベラと話し始めた。

うちの親はこうなると長くてしつこい。
それは息子である俺が痛いほどに一番良く分かっている。

「…あぁもう分かった。受けるから。だからもう黙っててくれ」
「えっ、本当!?」

そういった途端嬉しそうに目をキラキラさせた母親の間抜け面に内心で舌を出す。
結婚してやるとは言ってない。

「これ、見ておいてね。ちゃんと可愛い子だから」

そう言って押しつけられた見合い写真を受け取り、それは結局開かないままにして側の机の上に置いた。





──そして迎えた、見合い当日。

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