恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「そうだな。後は二人でゆっくり話でも」
俺の内心の制止も虚しく、そういって親達は席を立った。
途端に、彼女の体と表情が凍りついたように固まったのが分かる。
彼女の縋るような視線を彼女の母親は受け流し、席には俺達二人が残された。
「………。」
「………。」
変な気を利かせやがってと内心で舌を打つ。
俺ではなく、俺の目の前に座って白い顔をして固まっているこの女が気の毒だ。
自分に怯えてる女への接し方なんてものは知らない。だが、このまま沈黙を貫くのも彼女を苦しめるだけだと重たい口を開いた。