恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「まぁいいけど。お前も俺と一緒で結婚願望無かったんだな」
まぁ当然かと付け加えるようにして呟くと、彼女が少しだけをしかめたのが分かった。
「…私、相澤沙和っていいます」
「え?」
いや、自己紹介のタイミングが斬新すぎるだろうと一瞬呆気にとられたが、やがて何が言いたかったのかを理解した。
理解して、ごめんと言って思わず吹き出しそうになる。
「じゃあ沙和。最近診断されたって言ってたよな、もう治療は受けてるのか」
「はい」
名前で呼んだら呼んだで少し動揺したのか、おずおずといった様子で頷いて返された。
「へぇ、どんな」