恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
(何言ってんだ俺…)
迷った挙句、口から滑り出たそんな言葉に内心で頭を抱えた。
この時、俺はまた罪悪感を感じたのだ。
だからその罪滅ぼしのつもりで、俺はきっとそんな提案をしてしまったのだろう。
「だから、俺も協力してやるよ」
「…え?」
見合いが始まってからもうすぐで1時間が経つ。そう言って、もうお開きの時間だろうと席を立った。
「来週の土曜日も予定空けとけ」
「で、でも私、土曜日はいつもクリニックに行ってて」
沙和も鞄を取って席を立ちながら、半ば戸惑った様子で言いにくそうにそう訴える。
「じゃあそれが終わってからで良い」
「ええっ…」
戸惑っているのは俺も同じだった。一体俺は何を言い出してしまったんだと焦るが、もう後には引けなかった。
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