恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「砂川君、これって…」

「男性と、2秒間以内で握手する」

砂川君の言葉にハッとして顔を上げた。

握手…砂川君と?

「距離的な事は意識しないで、モノを手渡しで渡す事の延長だと思ってやってみるのはどう?」
「モノを渡す事の延長戦…」

砂川君との距離は意識しない、砂川君との距離は意識しない…そう心の中で呟きながら、手を伸ばせば砂川君の手に届くように2,3歩足をゆっくりと進める。

「出来そうか?」

そんな砂川君の言葉にコクンと頷いて、ゆっくりと左手をあげた。そのままその手を砂川君の右手に近づけるように伸ばし──指先が、触れた。
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