恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
指先が触れて思わずビクっと目をつむった時、砂川君の手が動いて私の手を包む。
「ぁ…」
大きくてあたたかな手に右手を覆われ、心臓が早鐘を打った。
───1,2…
熱っぽい意識の中で、2秒間を数え終えると同時に砂川君の手がスッと離れた。
「上手くやれたな。大丈夫か?」
砂川君がそう言いながら小さく2歩引いて私から距離をとる。
「うん、ありがとう」
手を見つめ下ろしていた視線をあげて砂川君と目を合わせてそうお礼を言う。すると、さっき握手をした時の動揺に時間差で襲われ思わず目線を反らしてしまった。
動悸がして、息が苦しいんじゃなくて…なんだかきゅっと詰まる。