恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
therapy7
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「沙和っ、お見合いはどうなった!?」
週が明けて会社に出勤すると、いつもより早くオフィスに顔を出した綾香に朝一番にそう問い詰められた。
「ほんとは気になって土曜日に電話かけちゃおうかと思ったんだけど、なーんか聞けなくって!月曜に直接問い詰めようって今日はいつもより早く出社したわけよ」
「あ、だからいつもより早かったんだ」
あははと笑いながら鞄をデスクに置く。
「で、どうだったの」
そう言って、デスクに置いた鞄の横に綾香が手をついた。
「やっぱり大丈夫だったよ。羽瀬さんには、お前と結婚するつもりなんかないからなってその日に念を押されたし」
「へ?」
綾香が心配するような事は何もなく、安心してくれるだろうと思ってそう話したが、綾香は呆気にとられたように少し目を丸くしたあと、怪訝そうに眉を潜めた。