恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
そんな綾香の言葉に私はブンブンと首を振った。
モテなくてさえない、とまでは行かないが、実は私も羽瀬さんに実際に会うまではなんとなく大人しくて目立たないような感じの男の人なのかな…なんて勝手に想像していた。
だが、実際に羽瀬さんに会って、イメージとは真逆の印象に正直驚いた。
「冴えないの反対っていうか、何て言うのかな、男の人にこう言うのって変かもしれないけど、綺麗な人だったよ。話し方は少し怖かったけど…」
「えー、本当?」
綾香が訝しげな表情を浮かべジャケットからスマホを取り出す。羽瀬さんの勤める病院の名前を尋ねられ答えると、綾香はどうやらそれをスマホの画面に打ち込んでいるようだった。
「ちょっと綾香、何してるの?」
「何って、検索したら医師の写真出てくるかなぁと思って…って、ええっ!?」
本当に写真が見つかったのか、突然綾香がそう声を上げてスマホの画面を凝視しながら片手を唇に当てた。