恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「ちょっと沙和、羽瀬秋人って超イケメンじゃん!」
そう言って綾香がスマホの画面を裏返し私に差し出す。そこには、病院の医師紹介のページで白衣を着て柔らかな笑顔を作っている羽瀬さんの顔写真があった。
(羽瀬さん、微笑むと雰囲気が柔らかくって全然違う人みたい)
「ちょっと待って、イケメンエリートの医者がこの歳でフリーって、その上で見合いって…えぇもう絶対この男訳ありだから。沙和との結婚は絶対認めないわよ」
「だから結婚はしないって…」
そう言う私の声は届いていないのか、綾香はひとしきりうーんと唸った後、またスマホを裏に返し画面を私につきつけるように差し出した。
「ねぇ沙和。羽瀬秋人と砂川君、沙和にとってどっちが格好いい?」
「え」
綾香の突然のそんな質問に思わず目を見開く。