恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「二人とも格好いいと思うけど…」
おずおずとそう答えると、私の声は沙和の気に召さなかったらしくその目を尖らせる。
「そういう答え要らなーい。じゃあ質問変えるわ、もしどっちかと結婚しなきゃいけないってなったらどっちと結婚する?」
「えぇ…」
段々とヒートアップとしていく綾香の質問に逃げ腰になる。どっちかと結婚しなきゃいけない状況って一体…。
「深く考えなくていいからさ、想像してみてよ。砂川君とか、すごく沙和の事大切にしてくれそうじゃない?」
そう言われて、思わず旦那さんとしての砂川君を想像してしまう。
───…
「絶対優しくしてくれそうよね…って、沙和?」
そう名前を呼ばれてハッとする。
(私ったら一体何考えて…)
「砂川君との結婚、ちょっと良いかもとか思っちゃった?」
そう意地悪な顔をしてにやにやとする綾香にからかわれ、顔がカァっと熱くなる。