恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「お前が勤めてるの、何ていう会社?」
「会社ですか?降谷食品です」
どうして今そんな事を聞くのだろうと不思議に思いながらそう応えた。
「そうか、じゃあ今から迎えに行くから待ってろ。今夜飯行くぞ」
「へ?」
砂川君の言葉に驚いて思わずすっとんきょんな声が漏れる。
「土曜日じゃなくって、今日ですか?」
「何だ、何か用事でもあるのか?」
「それは、ないですけど…」
「じゃあ決まりだな」
そんな羽瀬さんの言葉に目をむく。
「ちょっとそんないきなり…」
困ります。そう続けようとして、電話が切れてしまっている事に気がついた。
スマホを片手に、ガクっと肩を下ろす。
(急すぎる…)