恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
男の人の車に二人きりになるのは何もこれが初めてでは無い。以前にも砂川君の車にのせてもらった。
それでも、緊張と不安で心臓が嫌な音を立てていることは否めない。
「あの、今日はどうして・・・」
落ち着いてと自分に言い聞かせながら運転席の羽瀬さんにそう尋ねた。
「治療に付き合うって言っただろ」
「え?」
「男が運転してんだから、タクシーでも俺の車でも一緒だろ」
ぶっきらぼうにそうはきすてるように返され、一瞬ポカンとする。
確かに羽瀬さんは、私の治療に付き合うとこの間言ってくれた。
(私の見せた不安階層表に、タクシーに乗るって書いてあった事を覚えてたんだ)