恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「あの、ごめんなさい私急に・・・あと、ここって」
「ここは俺の勤めてる病院の部屋。急に意識失って倒れたんだよ、お前」
「・・・本当にごめんなさい」
情けなさと申し訳なさで顔が上がらなくなった。
前も、こうして同じように気絶して砂川君に迷惑をかけた。
人に迷惑をかけてばかりの自分が、本当に嫌になる。
「なぁ、砂川って?」
「え?」
「さっき俺の事、砂川って呼んだだろ」
そう言われて、さっき思わず”砂川君”と呼んでしまった声が聞こえてしまっていたとわかり少し恥ずかしくなった。
砂川君は、私が通ってるクリニックのお医者さん。
そう説明する前に、羽瀬さんが再び口を開いた。
「もしかして、砂川隼斗?」
──砂川隼斗。
いきなり羽瀬さんの口から砂川君のフルネームが飛び出し思わず目をぱちくりとさせる。