恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
そんな羽瀬さんからの急な提案に戸惑う。いくら同じ歳だといっても、いきなり羽瀬さんの事を呼び捨てで呼ぶのは何だか申し訳ないような。
「何だその顔。俺が良いって言ってるんだ、呼べよ」
「えぇ・・・」
呼べよと言われて思わず口ごもる。羽瀬さんは、堅苦しい呼び方はあまり好きではないのだろうか。
目を泳がせながら少し迷ったあと、私は口を開いた。
「羽瀬・・・君?」
そう呼んで少し首を傾げると、羽瀬さん・・・羽瀬君は、一瞬ピタっと固まった後、ハッとしたように瞬きをして、肩をすくめた。
「まぁ、それでも良い。・・・あぁ、あと今日はここに泊まって行くか?」
「あ、いえそんな、帰ります」
そう言ってベッドから降りようとすると、羽瀬君の強い声に呼び止められた。
「あの店での客とお前の病気、何か関係あるのか?」
「……っ」