恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「義兄だったので、あまり事を大きくしたく無かったんです」

そう言って力なく笑うと、羽瀬君は何も言わずただ黙って顔をしかめた。

「・・・今日は本当に迷惑掛けてごめんなさい。明日も仕事だし、もう帰ります」

そう言ってベッドのローテーブルにのせられていた鞄を取り立ち上がった。すると羽瀬君も腰掛けていた椅子から立ち上がってじゃあ家まで送ると言ってくれたが、その言葉に首を振った。

そこまで羽瀬君にお世話になる訳にはいかない。ただでさえ夜も更けているのだ。

「そんなにご迷惑かけられません、タクシーで帰れます」

「タクシーって・・・倒れたばっかで大丈夫なのかよ」

心配するように眉をひそめた羽瀬君に、これも治療になりますからと言って微笑んで返した。




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