恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

タクシーに乗り込む直前、沙和がそう言って申し訳なさそうに目を伏せた。

「気にするな、お前は何も悪い事してないだろ」

そう言うと、沙和は一瞬その大きな瞳をより大きく見開いた後、力無く微笑んだ。





沙和をタクシーに乗せ、俺は戸締まりをするためにさっきまで沙和のいた病室に戻った。

「・・・・・・?」

カーテンを閉めようと病室の奥に足を進めると、部屋の床にスマホが落ちている事に気がついた。ピンクゴールドの、自分の持っているものよりいくつか前の型のものだ。

この個室の病室に最近入った患者はいない。

沙和がこのスマホを使っている所を見た所は無いけれど、これは間違いなく沙和のものだろう。
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