恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
そう隼斗に電話をしてから、程なくして隼斗が車で駆けつけて来た。
その血相を変えた様子をみて、こんな隼斗を見たのは初めてだと少し驚く。
「沙和のトラウマの原因だっていう男がさっきまでいたんだ。それで、こんな」
「・・・そうか」
言葉足らずではあったが、隼斗は大体の状況を理解したらしく、小さく頷いてから蹲って震える沙和に足を進めた。
一定の距離を持ってその足を止め、今まで聞いたこともないような優しい声で沙和に声をかける。
「相澤、俺の声が聞こえるか?」
「……っ」
沙和が小さく、それでも確かにビクっと反応する。