恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
隼斗のクリニックには入院設備があるらしく、暫くの間、沙和はその個室で生活をしてもらう事になった。
沙和は自分は大丈夫だからといって遠慮するように首を横に振っていたが、俺からも隼斗の世話になるよう強く言った事もあり丸め込むような形で承諾させた。
PTSDを患っている上、健常な人でも恐ろしくてたまらないような状況に置かれている沙和を一人にさせる事はしたくなかった。
「あの、でも申し訳ないし、私…」
「俺が放っておけないんだ。天津の事が解決するまでの間だから、な?」
「…うん」
「ここで待ってるから、とりあえず今晩分の荷物部屋から持っておいで」
沙和がまだ申し訳なさそうにしながらもコクンと頷き、小走りでマンションの部屋へと戻った。
隼斗と二人になり、当然聞かれると思っていた事を問いかけられた。