恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「で、秋人と相澤って知り合いだったの?正直今でも少し驚いてるんだけど」
「あぁ、まぁ知り合いっていうか……見合い相手」
そう告げると、隼斗は驚いたように小さく声をあげた。
「見合いって、家庭持つつもりだったのか、お前が?相澤も見合いなんて一言も…」
普段冷静な隼斗がこれほど驚いた様子をしているのは珍しい。
まぁ驚くのも無理は無いだろう。
お前がかと言われるような俺と、PTSD患者である沙和の見合いだ。
「お互い親に無理やりセッティングされた席だよ。結婚する気は無いって見合いしたその日にちゃんと言ってる。沙和も相当安心しただろうな」
「そうだったんだな。…相澤が急に治療を焦り始めてた理由はそれか」
そう言って隼斗がどこか安堵したように息を吐く。そんな隼斗の様子を見て察した。
察したからと言って、隼斗に確かめるような事は言わない。
…言ってどうする。そうだったとして、沙和の方も隼斗を信頼しきっているのは第三者である俺から見ても明らかだった。