恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「今日は悪かった。何かあったら…あー、俺からまた連絡する」
そう言って沙和を隼斗に預け帰ろうとすると、沙和の細い声に呼び止められた。
「羽瀬君、助けてくれてありがとう」
沙和の笑顔に、心臓が早鐘を打つのが分かった。
そんな自分の身体に戸惑いながらも頷いて返し、その場を後にした。
──俺は最初からお前と結婚するつもりなんか無いから安心しろ。
もしあの時にあんな事を言わなければ。
何よりも戸惑ったのは、まるで後悔しているかのようにそんな事を考えていた自分だった。