恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

内心で驚きながらも、両手にかばんを抱えたまま砂川君に一歩ずつ近づく。

「相澤…?」

砂川君が驚いたように目を見張る。

5m、4m、3m…


──平気だ、私…。

手を伸ばせば届く距離に、砂川君が居る。

その事が嬉しくて、安心して、気がつけば頬にあたたかい涙が伝っていた。

「どうした?気分が悪くなったのか?」

焦ったような声色の砂川君の言葉に、首を左右に振る。

「ごめ、違くて・・・・安心、したの。砂川君が、側にいてくれるから」

「・・・・。」

砂川君が安心したという私の言葉に驚いたように目を見張った後、目尻を下げて優しく微笑んだ。

「あぁ、安心して良い」

< 167 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop