恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
内心で驚きながらも、両手にかばんを抱えたまま砂川君に一歩ずつ近づく。
「相澤…?」
砂川君が驚いたように目を見張る。
5m、4m、3m…
──平気だ、私…。
手を伸ばせば届く距離に、砂川君が居る。
その事が嬉しくて、安心して、気がつけば頬にあたたかい涙が伝っていた。
「どうした?気分が悪くなったのか?」
焦ったような声色の砂川君の言葉に、首を左右に振る。
「ごめ、違くて・・・・安心、したの。砂川君が、側にいてくれるから」
「・・・・。」
砂川君が安心したという私の言葉に驚いたように目を見張った後、目尻を下げて優しく微笑んだ。
「あぁ、安心して良い」