恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「病院が閉まってから夜の間は、楓が居てくれるから。遠慮せずに何でも言いつけていいからな」
そんな砂川君の発言に戸惑ってしまう。
病院でかくまって貰うだけじゃなく、お姉さんにお世話をかけてしまうなんて。
「私、そんなに迷惑かけられない・・・」
「迷惑だなんて思わなくて良い。楓、昼夜逆転してるフリーターで、最近丁度勤めてた店が潰れて職探してる最中だったんだよ。その繋ぎだから」
それでも、と口ごもる私に、楓さんが綺麗な瞳の目尻を優しく下げて微笑んだ。
「隼斗から電話もらった時は、女の子の護衛兼お世話で給料貰えるなんて何ていい話なのと思ったわ。だから本当に遠慮しないでいいのよ。病院が閉まった後、隼斗と二人きりで毎晩過ごさせるわけにも、かといって1人にするわけにもいかないもの」
そんな楓さんの言葉に、心の奥がジンとあたたかくなった。